雨が止むのを待ってます
ベンジャミン

台風が近づいてくるという
天気予報通りに降りだした雨に
慌てて部屋の窓を閉めました

(淋しさというものは
 そんなささいなところに隠れていて)

窓の外から聞こえてくる雨音を
半歩遠ざけようとする
距離なんて
少しも変わっていないはずなのに


「雨が止むのを待ってます」


時間の向きに逆らおうとすれば
眠らない 眠れない ほんとうは 
眠りたい 眠らせて ほしいのに

(いつしか涙は悲しいからではなく
 悲しむための道具になってしまったから)

そういえばさっきより
雨脚が強くなったような気がするのも
きっと気のせいなのでしょう

自分の重さに耐えられなくなると
空から落ちてくるというそれに
これ以上どうやって濡れればいいのかと


「雨が止むのを待ってます」


急いで楽しいことを
思い浮かべようとしたときに
手のひらほどの傘におさまりきらない身体が
どうしょうもなく小さいはずの

(だって泣き虫なのだもの)

言い訳ばかりしてきましたから

(それでもいいよと言ってくれる)

そんなふうに優しくされてしまったら
余計に泣いてしまうじゃないですか

もう少し
待っていてくださいね


「雨が止むのを・・・」


青空が
見える頃にはきっと

笑い方を思い出せるはずだから
    


自由詩 雨が止むのを待ってます Copyright ベンジャミン 2005-07-26 03:21:03
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