甘い蜜の罠
恋月 ぴの

コンサート打ち上げの夜
僕はあなたに 誘われる
あなたは知っているくせに
知らぬ振りが得意
女の武器 口元に仄めかし
手招きの指先 鳥かごの扉を開け放つ

誰も見てないはずだった
誰もが知らぬ振りをするはずだった

けれど深夜の缶けり
未成年の僕にはまだ早すぎて
はしゃぎすぎた幼さ 目眩に溺れ
蹴った缶の飛んだ先で
僕はてんでに酔いつぶれた

あたりの喧騒に目覚めれば
冷たい鉄格子の中
手錠を嵌めれた僕がいた


自由詩 甘い蜜の罠 Copyright 恋月 ぴの 2005-07-17 19:40:08
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