一発Geyな独白
虹村 凌

「っしゃー!今からやります!」
そう言うと
駅の痰壺を持ち上げ口にあてがい
飲み干す男が親父の知り合いにいたそうだ。
凄まじい。おぞましい。
っつーかその度胸と気合いがすげぇ。
酔ったらやる一発芸とは言え、よく酔いが醒めないもんだ。
つーか、よくそんな事を考えつくもんだ。
まったく、敬服しちまう。

え?敬服なんかすんなって?
そりゃ難しいよ。だって、一発芸ってなかなか出来ない。
人を飽きさせず、笑わせる。
しかも、なかなか他の人に出来ない事をやって。
…何が出来るんだろう。よく困る事だ。
例えば、アメリカーナの野郎共と喋ってて、思う。
何か、一瞬で披露出来る、簡単な一発芸あれば…と思う。
まったく、自分の考えの浅はかさには呆れる。

例えば、実際にいるのだけれど、ヨーヨー。
あまり馴染みが無いけれど、存在は誰もが知っている。
でも、特にやろうとは思わない。
実際に目の前でみると、結構凄い。
いい一発芸だ。
…俺なんか、部屋の中で木刀を振り回す訳にもいかないし、
木刀振り回す為に外に行くのも阿呆くさい。
だからって、昔取った杵柄「空手」を披露して、
腕に「鰯」って入れ墨したマッチョ野郎に、
「おい、ちょっくら闘ってみようぜ」なんて言われた日には、
もう俺は泣いちゃうと思う。
ラッパーでも無いし、英語でフリースタイルなんて出来っこねぇ。
喋るだけで精一杯だ。げふんげふん。
むしろ、酒の席では起きてる事で精一杯だ。げほんげほん。

何だか、友人曰く、「縄跳びでスターになれる」らしい。
二重飛び、交差飛び、側振交差、隼、早側振交差、など。
こんなのを披露するだけで、かなりのヒーローらしい。
すげぇ。これなら俺にでも出来る…が、これってやっぱり外でやるんだよな。
うぅん。

ちなみに、ウチの高校(中学も)は、3学期は縄跳びの授業があった。
体育の一環なのだが、3学期、毎週一回、必ず、50分間、
あのかったるい縄跳びを延々とやるんである、阿呆だ。
体育手帳などを見ると、とんでもないワザが乗っていたりする。

早側振前後交差前交差後交差 順(前跳びって意味

とか、もはや漢字を追いかけるのが精一杯だったりする。
俺でさえ、どんなワザかわかんねぇ。


面白い事を言うにしたって、下ネタは言えても。
ホモっぽいギャグは通じなかったりする。微妙なラインだ。
ラインと言えばコカインだが、コカインはやった事が無い。
あ、まぁマリファナもだけど。

しかし、俺もマリファナ吸ってラリって、
他人の吐いたゲロを啜ったりしたくないなぁ。
痰壺よりも嫌だな。


そんんだけ。


未詩・独白 一発Geyな独白 Copyright 虹村 凌 2005-07-13 22:11:32
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