バランス
望月 ゆき

 平均台の上を歩くみたいに、生きてる


 両の手を横にのばして、バランスをとる
 あせってはだめ
 はしるなんて、なおさら


 足もとばかり、見ている
 けど、前を向いたほうがキレイだってことは、知ってる
 まだ、前を向けるほど、上手に生きれてない
 このごろじゃあ
 つま先から3歩分ほど向こうを見ることくらいならできるようになった
 すべて、そんなことからはじまるのだから
 それでよし、としている


 ときどき、風に揺らされる
 揺らされるときは、それにまかせて揺れよう
 受け止めるということ
 足は、止めていればいい
 風をよけて早足になってはだめ
 簡単なことのようで
 それは案外、難しい


 平均台はなかなか終わりがみえない
 それを受け止めて
 両の手はのばしたまま
 バランス


 さいごはジャンプできめよう




自由詩 バランス Copyright 望月 ゆき 2005-07-09 10:53:15
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