2005.7.7
馬野ミキ

二日酔いだった

目をつぶると昨夜集中して見たエロサイトの残像が浮かんだ

くだらないバナー

朗読会の準備は着実に進行されたが

肝心の朗読はだめだった

セックスも生活も破綻していた

去年辺りから妙に体中が熱っぽい

俺は咳き込みながら煙草に火をつけてコーヒーを探す



コーヒーがない

冷蔵庫を開けたが麦茶もない

星の王子様のプラスチックコップに氷を放り込み水道水を飲んだ

もう一杯。

西武新宿の駅ビルで買ったものだ

キラリ星の王子様

一昨日俺が受けた批判はそのまま彼自身に向けられた批判であった

彼は渇望していた

わたしは、

わたしは二日酔いだった

インターネットにつなぎmixiをみてすぐにやめた

買うまでは随分楽しみであったが買ってからまったく手をつけてない本が一冊あったので

ソファに寝転んで頁をめくった

1頁目には何も書かれていなかった

愛猫が尻尾をたてて下半身をわたしに摺り寄せてくる

こいつはオスなんだが、仲良くしよう。




調子は最悪だったので部屋に閉じこもり詩ばかり書いていた

どの本を読んでもどのTV番組をみても誰と会っても何も感じない

世界は既に知っているものや飽き飽きしているもので溢れていた

まだで逢っていない女の子たちとまだ生み出されていない言葉

創造

そういったものにしか興味をもてなかった




愛猫が明朝のからすの鳴き声に反応しベランダへ駆けていく

俺は本の2頁目を眺めた

そこにはただ本の題名が書き綴られていた。


自由詩 2005.7.7 Copyright 馬野ミキ 2005-07-07 04:52:15
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