路肩をゆく
バンブーブンバ

路肩をゆく


路肩に生まれた草花に
水は流れる
白濁している 川上は
スタンドで
色褪せた枯れ葉らは
かき集められ 縮れていき
側溝に落ちるもの 残るものとに違えられ
買い物籠に子供 の自転車
ふみしめて
葉ずれの音を鳴らしつつ
黒いラインを曳いてゆき
野良犬は 脱糞し
車は眩くようにして
土埃を撒き散らし
つもり、
歩道をすすむ少年は
煙草を振り子で落としてゆき
ビジネスマンの揮発な痰は弧を描き 
ひしゃげたレシート濡れそぼり
ながされ、
ほんのすこし立ち止まり
ぼんやり眺めていただけなのだが
ほんとうに 多くのモノは
歩道と車道の ほんの狭間に
つもり、ながされ、つもり、ながされ、
月日はこうした頽落さえも
小さな土地に変えてしまい
変えてしまう しまうのだから
いつしか そうして
路肩に生まれた草花に
たったひとつの言葉しか 
思い出すことしかできず
しばらくその言葉を想いたく


路肩をゆく




自由詩 路肩をゆく Copyright バンブーブンバ 2003-12-10 08:33:40
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