戯け尽く
蒼木りん

―死んでしまえばいい―

怖ろしい言葉であるが
わたしは
いとも簡単にほざいたのだった

それは
わたしが死ねばいい
わたしが無になりたいという願いなのだろう

お前たちに罪はない
ただ
未熟なだけなのだから

いいのだよ
死ぬことのみは
怖くない

苦しみは今
肉体の滅びゆく永い時間
この耐えがたき痛み

―死―は
解放であるか
無であるか

誰しも
己が心に荷を残さずとも
人の心に枷をかける

安易に
いつも何かを
敵とみなさずにはいられない人がいる

いくつ倒せば
あなたのこころは
安らかになれるのか

どうぞ殺してくれと
身を差し出そうとも
殺しはしない

いたぶりの快感に
酔うていたいのだ
そう

正論という盾と
鉄仮面のような拒絶
その奥の生身

過剰な恐れと防御反応
快楽を求めんとする
欲望の病

其は有りや無しや
わたしはどうやら
そろそろこの世に飽きたようだ





未詩・独白 戯け尽く Copyright 蒼木りん 2005-06-23 00:16:38
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