とりあえず
蒼木りん

痛みは
我慢するものかと
思っていたけれど
実に久しぶりに飲む痛み止めは
実によく効いてくれて
歯痛のときと
生理痛のときにしか
飲んだことがなかったが
こんなにも楽になるものなのだな
楽しくはならないが
これが本来の身体の軽さかと思えるほどである

こころは身体に引きずられ
身体は気持ちに引きずられ

どうして
年が増すと
花や野菜を育てることに興味を持つ人が多いのだろう

人間とは
実に複雑で
至極面倒な生き物なのだろう
花のように黙って咲けばいいものを

ただ
今日いい話を聞いた
痛いときに
「『痛い 痛い』と言わないほうが早く痛みが治まるよ」
うむ
それもあるかもしれない
しかし
陣痛のときは
無理だ

隣の家のたばこ畑は
もうなくなるだろう
親父が危篤らしい

私は覚えているよまだ
あなたの罪を
ただ覚えているだけ

痛み止めは
明日の朝飲むことにした
とりあえず
生活のためにしか意味のない
仕事のために



未詩・独白 とりあえず Copyright 蒼木りん 2005-06-22 00:18:54
notebook Home 戻る  過去 未来