ユリについて
青色銀河団

ぼくがむかし見た、
ユリの花。
もし風のリボンが、
覚めない夢ならば、
きっと明日には消えてしまうでしょう、
魂に関する一切の記録、
涙に関する一切の記憶、
風に揺れる
一輪のユリを残して。

海に濡れたままのきみは、
花びらがながす血のように、
談笑して、
談笑して、
きっと
今日一日が終わると思う。
耳のうしろに
風のナイフを錆びつかせて。


未詩・独白 ユリについて Copyright 青色銀河団 2005-06-20 00:31:36
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