みなさん、まず次の文章を読んでみてください。

{引用=
なみだは
にんげんのつくることのできる
一ばん小さな
海です*

どうですか、読めましたか。
読めたと思います。簡単ですね ....
傾くピアノの黄昏の
透明なオレンジの
一滴が
空に
しみてゆく



そうして
トタン屋根の宇宙では
魚たちが
泳ぎはじめるのだ





どうか
明日も小鳥たちが ....
わたのある夏の日の
火の粉とともに
野原の蒸気は渦をまく。

ぼくらは真赤です。



麦畑をすぎる
風になまえがあるように
瞬きもまた瞳。

ぼくらは真赤です。
憎悪は森が
憐憫は人が
ひびくは草


ひびくは草


草の風紋
草の風域




ねえ、ことばがもっと自由だったら
よかったの?


やさしい手を
戸の隙に隠し ....
{引用=
ねえ、でぶでぶ
神様は毛がないってホント?
みたことある?










ねえ、でぶでぶ
にがいって字書ける?


でぶでぶの字って
うさぎの耳で ....
――静かな風が吹き始めます。
  感情は涙のように滴り、
  バラの花びらが、
  ぼくらをどこか知らない遠くへと招く。

ようやくちいさな春がやってきた。
ようやくちいさな春はやってきて ....
いつからこんなに遠くへ来てしまったのだろう
騒がしいパーティを抜け出して
こうしてメールをうっている

どこかからか潮騒が聴こえる
静かな風が吹き始めます。感情は涙の滴り。イバラの花びらはぼくらを遠くに抱きます。ようやくちいさな春がきましたが、ようやくきたちいさな春は、白い舗道の悲しい小学校に続いていました。香りの道にそって、夏の .... 少女は
朝が嫌い

目を覚ますと
いつも

知らない町に
置きざりにされた
気持ちになるから



少女は
朝日が嫌い

朝日は
いつも

こんなにも
世界を歪ま ....
神 鳴 り が 天 地 を 引 き 裂 き
黒 い 空 に 凍 て つ く よ う な 色 の 虹 が か か る 。
小 鳥 は 悲 し み に 閉 ざ さ れ そ の 形 の ま ま 影 に  ....
東京のかたすみで齧る
レモンの味は
とてもさびしく
小学生のわたしは
校庭のすみに駆け寄り
朝日に似たものを吐瀉する

(バラのとげはひとつひとつていねいに折ること)

希望の春のノ ....
悲しいぼくの胸を
夏の夕暮れの風が吹きぬけても、
時に現実として、
ぼくの胸のこの痛みは、
なつかしい思い出ですらありうるのだ。
この星をめぐる、
情熱に関するいくばくかの
光の残滓とし ....
この星の
半分は
あきらめでできている

羊水の
半分が
悲しみでできているように


はしかにかからないように
ぼくらは
希望という
予防接種を
受ける

悲しみは
 ....
現実として
地平線が
かすかに
欠け
世界をめぐる
赤黒い血が
滴ることなど
ありえない

現実として
この胸の
悲しみは
ニセモノ
なのだ


ああ
夕暮れに浮かぶ ....
真実ってやつは意外に恐くはありませんから
奥さんそんなに心配なさらないで
どうか思い切って身を任せて
まんまるの球におなりなさいな
なあに恐いばかりが鬼じゃありません
ときには家事のことなん ....
またきたね、匂う夏が、
むせかえる、草叢のにおいのなかで、
ぼくらは、呼吸をする

過剰な、色彩の、
この、感情の、渦に、巻かれ、
色をもたない、ぼくらは、
草色に、染められてく

 ....
記憶の ぬくもりが
朝のラインに 並びます
いくつかは やわらかく はじらい
いくつかは つめたく ゆるされて

/濡れた空に 水の旗が ゆるやかに たなびいています/



それで ....
ぼくがむかし見た、
ユリの花。
もし風のリボンが、
覚めない夢ならば、
きっと明日には消えてしまうでしょう、
魂に関する一切の記録、
涙に関する一切の記憶、
風に揺れる
一輪のユリを残 ....
 十月

忘れられない人がいる やわらかな白いカーディガンをきて 水辺のそばに佇んでいた人 手をふりやさしくぼくに微笑んでくれた あかるい霧のような雨が降っていた 
ぼくは何気ないそぶりで 自然 ....
風がおわるよ。
もうすぐ。
ともだちの
髪もなまえも
風の泡になるね。



  ちいさなガラスをとおして
  見える視野。
  いつもの都会のはずなのに。

  それは、
 ....
恋をしたら
ひとはみんな
詩人になるっていうけれど

詩人のつもりのぼくなんて
いつまでたっても
恋ができないのでした


六月の
ベルベットの小道を
今夜もぼくは歩きます

 ....
オレンジから
あふれくる時間の飛沫よ
透明な小石の一部分となって
永久にわが傍にとどまれ

わたしは
髪の先から爪のその先まで
全き答を希求してやまぬ
無限なる質問となろう

ある ....
あなた以外に

あたしのこと愛してくれる人
いませんか

ねえ
いませんか





あなたはさみしい
ですか

はい
あたしはさみしい
です
美しい白昼の真只中
セーラー服を着た
ひかりの少女が
友人とことばを交わす


美しい蒼色の風がぬける
ビルの谷間
古いスニーカーを履いた
少年がかろやかに
ステップを踏む

 ....
幾人もの
ちっちゃな娘らが
空から降りてくる

ぺちゃ ぺちゃ
ぱちゃ ぱちゃ
ぺちゃ ぺちゃ

傘の上での
おしゃべりが
実にやかましい


でも
明日になりゃ
きっ ....
{引用=
あなたの胸に
耳をあて
わたしは
あなたの遠い過去を
あなたの遠いさざなみをきく

風に揺れる草や花
春の雨が黒く濡らす樹木たち
やわらかな若葉を しずくがつたうだろう
 ....
また
いつのまにか眠っていた

集合住宅のリビング・ルーム
日に焼けたレースのカーテンが風にゆれる

レース越しに
ときおり
この集合住宅のこどもたちであろう
歓声が
きこえる
 ....
桜が散った

銀河の端で
はなびらの命が
燃えています

{ルビ私=ここ}と{ルビ私=ここ}以外のすべて

(距離とは
 けして
 交わらないことか)


右のうなじあたり
 ....
私は、以前から新宮栞さんの詩にぶちのめされています。
こんなすごい詩はめったにお目にかかれないと思っています。
新宮さんの詩のすばらしさは、そのテーマ・構成の仕方・文体等さまざまな側面がありますが ....

散文の中のたったひとつの言葉が
真夜中の舗道におちている




少女は水色にあこがれて
家出をしました




向日葵のことばについて研究中なのだが
どなたか向日 ....
青色銀河団(320)
タイトル カテゴリ Point 日付
「シ」は思考実験の「シ」散文(批評 ...805/10/12 22:39
あしたへ未詩・独白605/10/7 0:37
秋空のように延びなさい。未詩・独白605/10/5 1:30
風紋未詩・独白305/9/24 1:56
ねえ、でぶでぶ[group]未詩・独白505/9/22 0:11
静かな風が吹き始めます自由詩3*05/9/19 19:00
無題未詩・独白205/9/18 17:58
落陽の標本箱未詩・独白505/9/14 0:48
未詩・独白205/9/7 0:54
沙 羅 双 樹未詩・独白2*05/8/17 1:54
曇りの日[group]未詩・独白905/8/15 3:37
蒼い街自由詩405/7/27 1:06
ニセモノ(その2)未詩・独白105/7/24 23:31
ニセモノ未詩・独白205/7/24 22:16
まんまるにおなりなさい未詩・独白605/7/20 1:11
未詩・独白1105/7/11 0:09
小箱のなかで(二)未詩・独白405/6/29 1:07
ユリについて未詩・独白205/6/20 0:31
十月 十一月 十二月 虹[group]未詩・独白7*05/6/17 22:09
風がおわるよ。未詩・独白305/6/12 1:38
恋をしたら[group]自由詩905/5/29 18:32
五月の光[group]未詩・独白205/5/26 23:41
鏡のなかのあたし未詩・独白105/5/26 22:59
季節のはじまり自由詩005/5/25 23:19
娘たち未詩・独白105/5/25 0:27
恋愛小説[group]自由詩305/5/22 22:16
レースのカーテン自由詩205/5/4 15:10
部分[group]未詩・独白105/5/3 23:54
新宮栞さんの詩を読んで(ことばとことばをつなぐもの)散文(批評 ...305/5/3 1:29
ことばの軽さ未詩・独白205/4/30 3:37

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