水の・・・
さち

〜夜明け〜

森の呼吸
白く霞む朝
誰かの声
遠く響く
満たされる
満たされる
静かに濡れた空気
新しい命



〜静かな午後〜

緩く開いた手のひらを上に向けて
目を閉じる
透明にたゆたう
無心
イメージは空へ
映像は光へ
さらさらと 自由へ



〜存在〜

私は何処にいる
何処にもいない 
そして
何処にもいて
この透明な揺らぎこそが

「私」と名乗らないほどの
るるる ほど
あるいは
んんん ぐらい
けれど 幻ではない



〜心の形〜

心は
どこか離れた高いところにある
地上の諸々を
映す鏡となって
たとえば 誕生の喜びを映す
あるいは 破壊への怒りを映す
ときには 忘れたい何かを流し去り
そしてまた 大切な思い出を湛える


自由詩 水の・・・ Copyright さち 2005-06-08 18:23:21
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