穴について語る時に、我々の語ること/作:レイモンド・クレージー・バーカー・ジュニア 
鏡文志

心の中に、ぽっかり穴がある。

それを、なにかで埋める。


或いはそこに雨が降って、



井戸の中に水が溜まる。


満水だと、元気な状態。しかし、次第に干からびていく。
周りに黴も生えるだろう。



目の前に小さな穴があり、そこに飛び込むとそこは恐らく今まで見たことのない世界。
今まで生活していた世界にいる人間とは、もう


逢うことはない。


「穴があったら、入りたい」
人生に穴を求めず平板を見る人は、穴の誘惑に負けて抜け出したり逃げ出したい衝動に駆られることは少ないのかも知れない。

サッカーのフォーメーション。誰も抑えていない場所がある。


その穴場を探し、ボールを求める。



教室で授業をしていると、皆前を向いて教師の話を聞いていたり隣同士で話したり。
左手に目をやると向かい側の教室のガラス窓、木々も見えるし青空だって見える。





嗚呼、穴だ。



モグラになって穴を掘ると、大判小判がザックザクでてくる。私は人生に、なにを


期待していたんだろう。



人と話していると、人の話の論理に穴を見つける。自分の話も、



少しおかしいのかも知れない。
人の行動の穴、欠点。上げ連ね、その矢が自分に向かうこともある。

穴だ。


女の穴。

やめとこう。
男は突起物だ。つまり常に、穴を探している。


女は突かれると、喜ぶ。


突くと、笑う。

引っ掻いたり舐め回したり


すればするほど、嫌がりながら、感じる。
「しょうがないわねえ」
と困り顔で笑う。 女は笑い上戸だ。愛はテクニックだ。常に優しく、時に

厳かに。


穴のない、二枚目男がいる。
なにが良いのか、 全く分からない。
しかし、モテるそうだ。 女は、穴を求めない。



穴の向こう側と出口に解が出た後の爽快を求めてるのだろうか?

Replise:穴の向こう側と出口に解が出た後の爽快を求めてるのだろうか?

Replise:穴の向こう側と出口に解が出た後の爽快を


          求めて 求めて  求めて  る る る のだろうか?



探検好き。トンネルが好きだ。


人生は、砂のお城。中に、トンネルを作って遊びましょう。


ポカーンと、口を開ける。
そこに大きな穴が開く。
目をまん丸に見開く。そこにも、            穴に似た円がある。


おっと、尻穴から屁が出た。
完璧に仕上げようとすると、つまらなくなる。
やはり、穴があった方が、     いい。  いい。   いい。



シャープペンシルのペン先は、円筒だ。穴は、丸い。
穴は、シャープだ。完璧は、鈍い。完璧は、鈍い。完璧は、鈍い。



平たいは、幼い。




私の言っていることは常に、半分は間違っている。
私が全て正しかったら、貴方がいる意味がない。
全て間違っていたら私がいる意味がないから、

 
穴は常にお人好しで人と人との縁を作る手立てとなるものである。



穴があるから、笑う。         穴がないと真剣になってしまう。
人生に真剣になるべきことがあったとして、             その時私たちは常に穴と突起の遊びに夢中になっている。流。瑠。縷。蕗。ル。



穴に、落ちていく。夜の穴の中、  


時に夢を見る。
昼間の残像と、頭の中のアレンジ。


つまり、クッキング。
混ぜこぜになった料理が、美味しかったか? 
              辛い時は常に、我々は料理下手になっている。


ニーチェは、考えた。穴は、ないか? 穴は、ないか?
モーツァルトもベートヴェンも、有名な芸術家は、みんな考えた。

歳をとると、穴はあって当たり前になっていく。
寛容になる。つまり、つまらなくなっていく。探検しなくなる。
穴は沢山僕と遊んでくれたから。その皮と膜と突けば溢れ出す潮で、僕を沢山包み、癒してくれたから。

それは憶測で実際は、穴遊びが楽しくなくなり、他人若者の欠点、穴が気になって仕方ないよう。自分が正しい。とにかく自分が正しい。そこに、穴はない。

人はオギャーと生まれ、己に穴だらけを自覚し、その後嵐や竜巻の時代を経て、自らの穴と必死で闘い続ける。その時に見つけた動物的な抜け穴を経て、苦痛から快楽、快楽から苦痛へと変遷し、精神の高揚、魂の勃起から、萎え萎む姿へと。老いては死のトンネルへと、人は迷い込む。晩年。来世はどうしようか? どこへ行って、どこでお買い物しよう? コミュニケーションを取る相手も次第にいなくなり、支離滅裂な独白が多くなっていく。平和なる死。安寧としての穴への入り口へと。

己が、半生を振り返る。自分の人生に穴はなかったか? ここでも穴についてばかり考え続ける。

年寄りについて語るのはまだ自分には早い。穴への自覚があると、語りづらいこともある。


でかいドリルで穴を掘って、地球の反対側へ突き抜けたい。日本からブラジルへと。若いとは、そういうことだ。




穴×穴=生産性のない穴。
バナナ×ドーナツ=生産性があり、誠に美味しく、相性のいい穴とt、突起物。
では、罠×罠=?
「ハニートラップにかかったと見せかけて、嘘の内部情報を女に明かす政治家」

明日×橋=ブリッジオーヴァートラブルドウォーター
(サイモン&ガーファンクル)

アシカのショー。あしたのジョー。
アナアナアナアナワナワナワナワナガタガタゴトゴト………

この肉体滅びる限り人生という現実は続き、私の頭の中の列車は長いトンネルを抜け、線路の上を走り続ける。人生は、迷路ではない。どこかへ辿り着くべき、なにかである。


自由詩 穴について語る時に、我々の語ること/作:レイモンド・クレージー・バーカー・ジュニア  Copyright 鏡文志 2024-11-14 15:49:52
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