体制翼賛化する日本現代詩人会
室町

  ─森の中にある大木など少しもいいと思わない。
   わたしは砂漠に立つ一本の木を愛する─
  (中国ドラマ『男たちの勲章』のセリフから)

いつのまにか岸田政権の戦争翼賛体制と日本現代詩
人会の思想が重なってきている。
 "ウクライナ戦争は「プーチンの不条理」が原因だ"
などというトンチンカンで愚かな言説を掲げている限り、
現代詩人会は民主党ネオコンが仕掛けた対ロシア戦争への
道を知らずして遡i行することになるだろう。
いつか来た道だ。
なにせ櫻井よしこのような愚劣なエセ保守愛国者と同じ
ことを言ってるのだから。
「わたしたちはウクライナを敗けさせるわけにはいき
ません。プーチンの野望と戦うべきです」(桜井よしこ)
「プーチンの不条理」という意味不明なスローガンは
日本人をロシア戦争に駆り立てるため自公政権によって
いずれ採択されるかもしれない、
権力というものは戦争のたびに詩を必要とするのだ。
ここでいう詩とは"短いフレーズ"という意味だが
日本の詩人には哀しいかな知的エリート志向がどこかに
ひそんでいるからか戦争のたびに利用される。
大戦前後の詩人たちの狂騒ぶりはどうだったか、再度
詩にかかわるものは文人の戦争責任論を読み直すことだ。
日本現代詩人会は十年後、欧米戦争翼賛体制に協力した
団体として嘲笑され指弾されることは間違いないとわたし
は今断言しておく。

それにしても産学あわせてこの国は戦争へ向かっている。
右も左もだ。自称リベラルも自称保守愛国もいがみ合い
ながら同じ道を歩いている。
新聞テレビは露骨にファシズムを謳歌している。
いつのまにか「ファシズム」や「全体主義」というこ言葉
が消されて「権威主義」などというわけのわからない
ことばにすり替えられている。
ことばにかかわる者たちが軒並み愚鈍になっている。
いったいこれでこの先、この国がやっていけるとでも
きみたちは思っているのか。

以前、プーチン讃歌を某投稿板に書いたところ、その掲示
板にも投稿されている
中田満帆という方が「不可侵条約を破って北方領土を
占領したロシアを支持するなど愚の骨頂だ」という
主旨のコメントをよこされた。
日本現代詩人会の愚劣なリベラル気取りと同じく、この
方も聞きかじりでプーチン批判をしているのだ。



この方の間違いは、ロシアが北方領土を強引に占拠した
という都市伝説を頭から信じきっている所にある。
北方領土占領をロシアに強く要請し、そのために艦船や兵器
兵力などをソ連に提供したのは米国である。
米のこの作戦は「プロジェクト フラ」( Project Hula)
と名付けられ米公文書館にて公開されており閲覧もできる。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%B8%E3%82%A7%E3%82%AF%E3%83%88%E3%83%BB%E3%83%95%E3%83%A9
ソ連の不可侵条約破棄も北方領土占領もすべて米国がソ連に
強く働きかけて、作戦も戦力もすべて米軍によってなされた
ものである。
つまり北方領土を背後で実質占領させたのは米国なのだ。
それなのにロシアを裏切り者と非難して米国を祭り上げる阿
呆がこの国には多すぎる。
旧ソ連時代のこととはいえ閣僚の多くはウクライナ人である。
そのウクライナを支援してロシアを叩くことの滑稽さ。
ロシアやウクライナを含むユーラシアの歴史を調べればロシア
が単独でかつて他国を侵略したことなどない。
しかしロシアは肥沃な農土と天然資源を狙われ昔から絶えず
侵略にさらされてきた。だから防衛に神経質であるとしても、
戦後、ロシアが中国のように日本の政界に働きかけたことが
あったか。ロシアが中国のように北海道の土地を買い占めた
ことがあったか? ロシアが米国のように原爆を落としたこと
があったか。......
わたしを非難してきたこの方の根本的な錯誤は、
ロシアとソ連を同一視していることだ。ソ連体制を批判してロシ
ア正教に基づく独特の国民国家をつくりあげたのは
プーチンである。今だにソ連とロシアを一緒にするのは大きな
間違いだ。

まあいい。しょせん詩人などというのは大戦前も大戦後もこ
のように政治的に無知で、結果戦争に協力しつづけてきたのだ
から、知的エリートを気取る限りこれからも知らずして戦争
に協力していくだろう。
「六本木詩人会」などという吐き気のするような御局(おつぼね)
クラブを六本木などにつくる連中である。田舎者丸出しだ。
憧れの六本木で詩人を気取って満足したかな和合亮一くん。
グローバリストの知的エリートの一員にでもなったつもりなのか。
こんな詩人たちばかりでわたしは日本人として恥ずかしいよ。

さて日本現代詩人会のみなさま。再度お尋ねします。
「プーチンに起因する不条理」ってなんですか? どうも
そのことを論理的に説明できるとは思えない。よく考えもせず
世間の空気だけで
こんなスローガンを掲げていることは明白だ。
こんな団体がH氏賞を出しているなど笑止である。どんな詩が
書かれ、選ばれるのか。何の実もないたわごとばかりである。
ああ、恥ずかしい国だ。


散文(批評随筆小説等) 体制翼賛化する日本現代詩人会 Copyright 室町 2024-02-10 04:57:37
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