置き去りにされた夜に
ひだかたけし

なんにもない
ひろがり
ほんのりあからみ
そまりいく



 磔刑の無力耐え忍び
 呪言を読み聴かす

  置き去りにされた夜に

  〈向こう岸が見えるかい?〉

 と、

鋼の声で 無限の宇宙の内面へ



なんにもない
ひたすらひろがり
ひびきのさなか

 ほんのり赤らむ頬の
 噴き上がる真紅の内面

懐かしいソノ余韻を掴み
更に覚醒するこの意識



自由詩 置き去りにされた夜に Copyright ひだかたけし 2024-01-31 19:34:11
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