破調
ryinx

もはや零戦、
向いにたなびく羽根

とおりの母屋
の棚
そっと舞い降り

  終着地

辿りついたのは
       平屋の
     墓地

 置き忘れたもの
    戸棚に、

   神経の不可熱
 視えながら もの云つて
いる、

水辺に


 いまさっきは嘴を
微細に
 震るわせ、

神経の
こまかな中心線、

   ひび割れた、
 仮定の断面

はじめの部分は霞み、

視るでもなく。
混淆され
背伸びした
入道雲。

目くばせして
古い土地


破線は切れ


*



さっきまで、思っていたことが
どうしてか思いだせない。

 いいえ、どういたしまして
 どうしてか、ありがとう

 手短かに
 つまり、思いだせないのではなく、
 はじめから、知らないんでしょう。

或いはそうかもしれません
結果的に、そうなったのか
いずれにしても
 うまくはいえない

(2023 12/24)



*


ガラスの町の方へ
ゆく 予定を作成する
明日その中に居る

彼のすがたはみえなかった
ぼんやりとした像が
いまいち 焦点を結ばなかった

商店にはいって
入荷したか尋ねる、
古くなったプロダクトをしまう

 ロウソクの木
 とミシガンの
 蝶ケースのなか
 静止して
 2時間
 値段交渉する

例の、
留め金は箱に入っていた
幾らか安くできると

そのまま 付箋を敷いて
店を後にする

(2023 12/25)




+


いつものぼくが
 いくつもの

いつも
幾つもの
なんども
 繰り返されたあさ
 少しでもひかりがみえたら





    a









自由詩 破調 Copyright ryinx 2024-01-01 10:03:21
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