月夜の森を行く
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暗く 深く 月明り 差す
夢の底から 水面を 見た
息を潜めた 笑い声がする
あんなにも 熱かった 光
小さな手に 握らせた 花
緩慢に 痩せ 衰える 土
ゆっくり ゆっくり 沈む
陸では 生きられない 卵
切り落とした 髪を 束ね
切り揃えた 爪を 研いで
悲しさと 寂しさを 呼ぶ
けものたちが 歌い 踊る
ひとでないものだけの 宴
月のように 満ちる 時間
本当は 何も見えない 神
今夜 それを 言祝ぐのか
他の 誰にも解らぬ言葉で
今夜 この森で 死ぬ私を
自由詩
月夜の森を行く
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2023-12-24 14:11:55
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