夢のあと
塔野夏子
すべての夢が燃え尽きたあと
僕と君とはふたたび会うだろう
そこには静かな風と
穏やかな光があるだろう
そして僕は
もはや語らないだろう
叶った夢のこと
叶わなかった夢のこと
ただ僕は云うかもしれない
見るためだけの夢もあったと
そしてそれは
とても美しかったと
そのとき君の眼差しは
どんな色を帯びているだろう
今はただ祈る
どうかその日まで
よい旅を
自由詩
夢のあと
Copyright
塔野夏子
2023-10-15 12:40:21