随筆
室町

世界が一番静かなとき
人は人の心に残ることを求めて生きようとしている
渋滞する交差点にとまる外車の運転者のことなど
道行く人はだれも知らない
それでも運転者はかれが人の心にとまったと思って
車に一千万を使う
それは簡便な妄想にすぎない
ウィルス学会では宮沢孝幸京大准教授が
新型コロナワクチンの毒性論証を書き上げた
コロナウィルスは人工改変されたもので
ワクチンは人類の生存をいずれ脅かすものだという
宮沢はその論文の査読を待っているが
だれもそれを手にとろうとすらしない
それどころか宮沢はyahooやyoutubeで狂人扱いされ
京都大学の逆鱗にふれてクビになることが論議されている
人は生活とカネを棒にふっても生きられるのか
欺瞞に慣れ親しんだ同僚たちはそういって宮沢を嘲笑っている
でもみてごらん
数万というワクチン被害者の心には宮沢孝幸が住み着いている
ビル・ゲイツもバイデンも岸田もファウチもクラウス・シュワブも
夕餉はごちそうの山だ
でも
だれの心の中にも彼らは住んでいない
だからかれらの食卓の米沢牛はスポンジのような味しかしない
のでまたカネと生活を飽くなく求める
この悪魔の循環には限りがない
夕餉の食卓は豊かに彩られるが首をかしげて内に飢えるばかりだ
宮沢孝幸は未来での称賛を夢みて粗末な現在を生きているのではない
未来などあるかどうかだれにもわからない
宮沢は人の心に棲みつくことで豊穣な未来を今そのままで
手にしている
ネットではけふの詩が誰かに読まれることを
待っている人がいる
世界が一番静かなときに


自由詩 随筆 Copyright 室町 2023-09-29 09:35:42
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