とんちゃんの歌
室町

暗闇よるとはフォントの欠落によるものだ
おまえとはテキストではなくフォントの葬列だ
むげんとはフォントのフォントだ
と照り焼きになるのを待つニワトリにいったら
ポークステーキが出てきた
なにもハートマークの目をしたとんちゃんがお尻
ふりふりポークステーキの給仕など
しなくてもいいのに
世の中はこの程度に残酷ぐちゃぐちゃ滑稽はらいた
無神経ざらざら
とんちゃん曰く、最後の晩餐やしょく
だという
やつがれは言語理論を茶化した罪で食後に
逆さに吊るされるのだという
引力にぶら下がっているのだからむげん
地獄へるなのか
それとも天国ゆぶねなのか
どうにでもいえるだけのはなしじゃないか
植物はなから分離した人間さる
逆さまに立っている
自然ここの構造をまだ知らないだけだ
一番の遠くとはここだ
さすらいとは未来ゆめ
おまえが先を走ってみらいをみていよ
うと
さすらいは鼻先で風船たまにな
っているだけだ
さてやつがれはシニフェとシニファンとい
う詐欺師の手品を茶化してみせた
文句さついがあるやつは出てこい
と逆さに吊られながらみらいを見ている



自由詩 とんちゃんの歌 Copyright 室町 2023-09-25 05:59:47
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