夜の人
秋葉竹


  

夜は
すこし寂しくて、すこし孤独です

だから、朝を待ち
できれば、静かな眠りを求めています

それが、なかなか、うまくいかなくて、
眠れない夜を過ごしていますよ


枕の匂いが
すこし震えさせてくれます

ひとり
なんだと
そうして、生きてきたんだ、と

べつに悲しくは、
ないのですよ
あたりまえの、ことですから

ホラ、夜空かがやく星々のなか
月はいつだって
たったひとり、微笑んで、いるでしょう?

さくら色の
月光が
私に告げるのです

そっと
ちいさな、やさしい、声で。

凍えていては、ダメですよ?


あなたは、生きていく資格があります
あなたは、失敗してもいいのです
あなたは、絶望する資格があります
それは、
それを、
くつがえす力があるからです

あなたは、生きてゆく資格があります
あなたは、泣いてもいい、資格があります
あなたは、うたをうたって、よいのですよ?

とてもよく似た
悲しみを背負った
スナフキンが目の前にいる

命だけが、
人を生かすのではない

詩だけが、
人を生かすのではない

ねぇ、ねぇ、ねぇ、
ねぇ〜ぇ?
知ってる?

スナフキンはいつだって、
大人なんだから、
僕たちを困らせたりしないよ

ただ僕たちの誰よりも
悲しいめをして
微笑んでいるだけなんだよね









自由詩 夜の人 Copyright 秋葉竹 2023-02-20 21:22:32
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