鉄砂川にて
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 火を吐く タイヤの山から
 長い欠伸で
 鉄砂を見
 遠くの街の 粉っぽい音が
 吸いこむ胸 空に游ぐ

 鈍い輝きを握りしめ
 泥濘に踏みこむと
 匂いが違う
 あと少し の繰り返し
 鉄砂は 濁り
 身を震わせる
 汀は蛙たちの骸でいっぱい

 冷たい縛めから逃れ いつか
 羽虫みたいに飛びたい
 鳥に襲われても
 網に絡まれても

 風の中でも 真っすぐな
 青い狼煙が呼んでいる

 流れに逆らう
 細い鉄砂の源





自由詩 鉄砂川にて Copyright soft_machine 2023-01-31 22:42:18
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