過ぎて行く
ヤギ

チョークの淵を遊ぶ子
意味のない歌を歌う
それはそれは怖ろしい歌

それは 怖ろしい歌


ひとつだけ覚えている言葉

「真昼の月を描きなさい
力は要りません
知恵も要りません
感性さえも要りません
ただ自分を信じなさい」


過ぎ去った盲人を




その人は呟くように言った

「そんなものは何時か終わってしまうでしょう
それが同じことだと知っている限り
愛されることも憎まれることも変わりはないのよ
愛することも憎むことも ただ過ぎて行くだけ」

「違うよ」

と二度繰り返した



雨の日が好きだ
みんな濡れて行くから
透ければいい
音も消えて行く




自由詩 過ぎて行く Copyright ヤギ 2005-05-06 18:27:46
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