ひとは生きるために生まれてきたんだと、夢をみる
秋葉竹


銀杏が舞う舗道を
ゆっくりと歩いて
いろんなことを想いだすけど

恋することは、罪じゃなかったし
そんなことより
あの部屋にたどり着いて
ブラックコーヒーを、飲みたいな。

暗いこと考えていても
なにもはじまらないし、ね。

ひとは、生きるために、生まれてきたんだ、と。
それとも?
ひとは、恋するために、生まれてきたんだ、と?



たとえばこれから季節はナイフみたいな
すべてを傷つける冬へと向かうのだが

そんななかでも、厳しい寒さに耐え、
あったかい部屋で
それが夢物語でないと断じて
こう、
いい続けてしまっても、良いだろうか?

まだ、生きていられるなら、
まだ、大丈夫なんだから、ね。

ただ、
ふと、妄想するのは、
その部屋に
私ひとりじゃなく
あとひとりだれかがいっしょに
いてくれること。

それを夢だと知っても、
寂しい気持ちになったりしないように。



でも、もしかしたら、それは
けっして叶わない夢ではないかもしれない、だろ?
そんな夢を、みても、いいじゃない?

極寒の冬物語の
なかの、あたたかさ、とか。

ひとは、夢みて生きる、
力をほんとうに持っているのだから、と。











自由詩 ひとは生きるために生まれてきたんだと、夢をみる Copyright 秋葉竹 2021-11-15 21:49:20
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