こぼすな、涙
秋葉竹




だれに泣き言をいえばいいの?

気がつけば、そういうことをいう相手が
いなくなっていた
たったの一人も、だ。

うそみたい。

この夏になって気づくなんて。

今まで、
なんとか人に迷惑をかけないように、
と、
それだけは、と、
せめて、と、
願って来たのは、
ただの、

ほんの、ただの、
弱さだった、らしいよ。


なら、じぶんがわるかった。


それが、
こんなに、こんなに、
わるかったなんて。
想像もできなかった。


だれにも泣き言をいえなくなった私は、
なにをどれだけ抱え込み
なにからどれだけ、逃げつづければ


ねぇ?

なんとか、
なんとか、
なんとか、なる?







自由詩 こぼすな、涙 Copyright 秋葉竹 2021-10-06 20:17:40
notebook Home 戻る  過去 未来