詩が書きたい自分に宛てる
よんじゅう



じつはぼく白人も黒人も黄色人種もみーんな平等に嫌いです。つまり人がきらいなんすけど、自分でも驚くほどアダルトビデオがだいすきなんですよね。笑い。女が欲しいとか性行為がしたい!とかじゃなくてさ、ただアダルトビデオが好きなんですよ、ギョッとするようなアジア人の高校級玉袋から目の中に入れても痛くない黒人の母乳で窒息寸前まで、ありとあらゆる人間がいて、そういう人も嫌いなのっておもわれそうだけど、全然、全然そんなことなくてね。動画を鑑賞している時ってさ、人間ってことばが、いくえみ綾のバラ色の明日をのせている本棚の板裏で数十年も息をひそめていた鼻くそくらいどうでもいい感じになるんすよ。あっこれ、たとえるならねって話っすよ。でね、そういう矛盾にほぼ毎日喘いでいますね、ぼくは。
ところで、じつは、ぼく、矢沢永吉好きなんすよ。にわかなんすけどね。矢沢ならこう言いそうなんで、そう言いますけど、でさ、みんな、詩ぃ書いてる?それって公平?それとも平等に書いてるの?宛先はどう?だれにとっての匙加減で、いい塩梅?詩ってさ、というかことばってまじフェアじゃないよね。そして、いま、いまさ、ここまで読んでくれたじゃん?あなたが。いえいえ、ぼくが。そんなぼくたちがしこしこと暮らす部屋を、真っ暗にしてみ?なにがある?なにがありますか?ブラックホールのような玉袋も清書のように正しい母乳も、結局は頭の中にしかなくないっすか?一本の蝋燭に火を灯して暗がりに置けばいいよ。そうだ!そうしよう。それから目を閉じて、熱のある方へ手をのばせば、すべてわかる。そこからはじまる。なにがある?すべてかわる。なにがありますか?ぼく、こわいよ。なにもないって感じがして、そしたらさ、こんどは、ふるえて書けよ!













散文(批評随筆小説等) 詩が書きたい自分に宛てる Copyright よんじゅう 2021-07-26 19:57:18
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