teenage mutant ninja titles
竜門勇気

レ 悪い約束:スランキーサイドの”悪い物体”を聞きながら書いた。
大した意味はないけど4ビートで頭にインパクトが有るイメージ。

レ 僕の箱:悪い約束と同じリズムでもっとソリッドにしたいな、と思って書いた。
三つの壁とかキーボード、とかの単語はまあキレイかなと思う。”難しい問題”はもちろんハードプロブレムのこと。少し安易だし寒いセンテンス。

レ はまった場所:バキバキにアルコールがキマっていて鈍くなっている。自分の因果でもなくて陥った苦境や、誰かがいないことで成り立つ楽園を思うのは楽しい。

レ エレクトロ・バウンド:シーサイド・バウンドを意識して題名を考えた。バンドが5月に始まったり博士が無意味に示唆をつぶやくのは何かが起きる時を何者の意思によっても決定できなくてその解釈が決定を定義できても次の決定を予言できないというぐらいの意味。長春、月範は架空の都市。多分筑波の近縁にある。

レ 君とはしゃべれない:2つの存在が1つの存在として振る舞うのはキレイで不完全で、だからいいんだよね。完全が存在して完全な不完全があって同じ場所でモッシュピットで混ざりあって均一な何かになって完全と不完全のままライブハウスのドアを開けて帰れなきゃだめだ。誰かと喋れなくてもそれでいい。

レ 美しいけむり、あたらしい死刑:ピーズの曲を聞きながら書いた。君は可愛い小鳥・・・。お互い終わった関係を二人真逆にとらえながらむちゃくちゃになっていく。ぼくはいつも楽しい酔っ払いじゃない。そいつは残念ながら僕なんだ。

レ つもりではなかった:会社の飲み会とかがうっとうしい時期があります。その昔なら友達とすら飲みたくない日もあった。ああ、なんだ早かったな。そう言って金属バットでドアを開けたやつからぶっ飛ばしたい日がある。ただ酔っ払ってやり過ごすほうがいいってわかる日が来るまで。

レ 腐ったまつげ:大事なもんを全部、安くてただ頑丈な箱に入れてガシャガシャ振ってただ絶望している。自分で選んだやり方。構造は実在そのものだった。もう何もわからない。かわいそうに。でもだからなんだってんだ?

レ 広いところの鏡:「僕にしかあたえられなかったもう一つの選択」が最大のフックになっている。同じような文言を同じ段落で繰り返すのは僕の好みです。民族音楽でリズムにのってるとこってこういうのが多い印象。苦しいこと、楽しいこと、悲しいこと、善悪、この対比は楽しいけどこの詩ではあまり機能してない。

レ テレビジョンはずっと:これは楽しく書いたけど、雑すぎるので後ほど手を入れます。

レ 蟹は食べない:細かい描写はいいところはあるけど、なぜカニを食べないのかが弱い。弱いのは別にいいが、序盤から蟹を食わなきゃいけない場面であったほうが面白くできたかもしれない。

レ 柘植の枝で叩く:人を傷つけること、奪うこと。どっちにしてもそれほど特殊なことじゃない。”他人がくれる痛みはなんの役にも立たない”が一番いいセンテンス。
全体で見るとちょっと散漫。

レ 水と死体:悲惨な話しか思い浮かばなかったので少し救いのある話にした。無意味な会話を挟むのが私のブームです。親に、竜門さん死にますよ!ハハッ!って言ってた難波くん元気かな。

レ イツモノバショデ:逆説的な概念を拡張する手口。仕事しながら音楽のことを考えていて、ロックを聞いているときにはこんなつまらないこと考えないのに、と思ったのを拡張して”じゃあ、愛情や、何やかや考えてるとき、それは不在なのでは?”としてみた。
実際にはなにかしらインプットされてるときにそれに対して思考できないなんてことは一般化できないと思います。詭弁で踊ろう。

レ よっぱらってるよ:仕事が地獄だったので久しぶりに詩を書いた。溜めたら濃いものが発生するので、そこから使えそうな概念を使用した。常に発生する概念は溢れる前に揮発する。残ったものが使えるかどうかは別として、本質的な部分がどろっとするのでどろっとしている。変な結晶とかも浮いてる。

レ アナザー、クレイジー。:なんのかんのどうたら、アナザー、クレイジー。カタカナ英語ってカッコがいいと信じているのでそれを実施します。beatlesよりビートルズのほうがカッコいい。”なにか別の””狂ってるやつ”を繰り返すといいんです。言い換えながら本質でも要約でもないものに迫る。

レ 最初の戦争:母の実家の近くにあった駄菓子屋のことを思って書いた。包装紙を破くとカビだらけのお菓子が出てきたり、ある棚の中にあるお菓子を見ていると怒られた。(賞味期限切れを入れてる棚だったらしい)長く時間が過ぎて母から、「あそこの店主はブゲンシャの・・・妾さんで、お店をもろうたらしいよ」と聞いた。乾ききってひどく硬い木でできた、ゆるく曇ったガラスの嵌められた木戸。白熱球、瓶詰めのお菓子、大きな窓の外を走るカローラ。真っ昼間なのに薄暗くて、本当の真夜中より悪いことをしている気分になった。

レ なんだかたくさん:だらだら長いパターンのやつ。「僕にしか選べない間違い」は「あなたにしか選べない間違い」と等価値のタロットカード。好ましくないものを選んでも痛いことを選んでもタロットカード。寂しい気分のときは思い切り寂しくならなきゃ損だ。

レ いつもどおりに:友達が自分の想像を超えた行動をしてるときの不穏な感じ。取り残されたような不愉快なような着いてきたいような、部屋の中で腐ったものを手に庭に出たら腐ってたそいつが色あせて見えるような感じ。

レ スニフ、スニフ、もう行こう。ここには奴隷しかいない。:こういうアウトロー気取りのやつはやりたくなるときにやってしまうが、身はない。レイモンド・チャンドラーが好きだった頃の余韻(20年くらい前)が時々僕をそうさせる。そうならないようにしようね。お父さんお母さんを大事にしよう。

レ どんな掃除婦にも :ぐちゃぐちゃになってしまうタイプのやつ。序盤がカオティックに進められたのに、書いた部分が秩序を作るせいで中途半端になった。後半持ち直そうとして失敗している。でも最後に最初の段落持ってくるのはやめられない。気持ちいいから。。。

レ 気持ちが良かった:別れがたくさん訪れる日、一つ一つは寂しいし悲しいけどそのたくさんさが一定を超えた時不思議な気持ちよさがある。滝は戻らない。しかし一つ一つ解像度を上げると最終的に滝を流れる水は循環している。自分の周りに存在する全ても解像度の違いで新しい何かであったり、一つのなにかのループであったりする。これはよくできたけど、構成としては退屈かも。もうすこし展開すればいい。

レ 川には流さない:ロマンチックなロックからロックっぽさを引いた感じ。キャロルの1stの甘い曲からロックらしさ、マッチョっぽさを引き算。足すことの平成のライブハウスの軽薄さ。ピーズの初期のバラードのとても豪華な安さ、ロードムービーにはあるけど、ロードにはないもの。ロードにはあるけどロードムービーにはないもの。

レ deeeper!:40歳が書いたとは思えない素晴らしく青いリズム。多分、仕事であった嫌なことをモチーフにしてるんだけど、ミッシェルガンエレファントの曲もモチーフにしている。ただ、連と連でうまくつながってないとこが傷に傷。

レ 力学を探してる:そういう映画を見たので。

レ 遠くまでいかない/近くでは探さない:楽しく書いた。るんるん気分で書いた。わるぐちいわない!は思いついた時ついにキャリアの頂点についたと錯覚した。/で分ける言葉はもちろんどちらかを選ぼうって言う意味であるし、分岐する意味と意味が状況を定義するので一つの詩で解釈が複数に分かれる事と、逆に詩の側から複数の選択を強制する意味がある。でもこれは邪道な気がする。

レ 豆電球と友だちになる:ずっと、思い出しながら生きている。それだけが言いたいことなのでそのために書いた。こういうのは良くない。言いたいことを言いたいなら。余分なことで薄めちゃだめだ。

レ 中身は別物:カメラと人についての関係に思い入れがある。カメラを構えている姿って没頭している感丸出しですごく好きだ。率直にそのへんを作文しただけなので、薄い。

レ あなたが書いた絵をみてます:二人だけの食卓を中心にして、連想に任せて書いた。沈んでく/沈んでく のあとから連想が尽きてる感が出てる。しかも実際に尽きてる。

レ 爪なんていらない:仕事がらみのテーマなので詳しくは割愛するけど、ある組織での仕事があなたをぶっ壊したとき、それはそこに居る限り解決は難しい。ストーブの前で暑いと感じるなら、外に出るべきだ。川に飛び込んで溺れそうだと思うなら、踏み出すべきじゃない。僕はストーブの前で暑さを誤魔化す術と、あるレベルまでの激流に息をつなぐ術を一つか二つ知っていて彼に教えることができる。カラカラになってあっぷあっぷしながら生きていくやり方は教えてあげられる。失敗して死ぬまで。

レ オルゴール代わりに心臓を弾く:前作を引きずって対象が自分にかかっているだけ。レトリックの最大公約数的に歯車を持ち出すのは安易だなあ、と思いながら壊れた歯車=前作の組織が壊した人間、を自分に繰り込んで”俺ってかわいそう~”みたいに落とし込んでるのが良くない。もう一つ踏み込んでみるべき。

レ 毒のつもり:形而下の植栽、という単語が浮かんだときに一気にかきあげた記憶がある。歴史の1ページが物理的に存在する時、それは紙ヒコーキであったりなんだりするだろうけど、そんなの実在を決定するような強い存在であっちゃだめだろという気持ちもある。現在においては歴史は下書き。

レ 滑り落ちていったものだけ:なにか楽しいことをしたいときに、誰かが傷ついてることを感じないようにすればもっと気持ちいい。
でも、年取っていくとそんなのすぐわかっちゃうんだよね。誰も傷つけない愉快なことってそんなにない。ごっこ遊びでも。茶番であっても。

レ スモールライト ディレイ・ディレイ・ディレイ:いや、わかってるんですよ。現在の飲酒習慣が健康以外の自分を取り巻く環境をハチャメチャにしてるのは。
邪魔なものはいらない。本当に僕はネジを好きになれたのか?
でなくとも、ネジであることに納得できたのか?

レ 星空に君はいらない

レ 食いもんなんか食ってられるかよ

レ 鳩だらけ

レ 少しひねるだけで

レ 世界を壊すのはやっぱりかんたん

レ どうゆうゆめ

レ 重要なお知らせに飽きている

レ パッケージの中でこえをひそめる小人たち

レ 私はあなたの静脈です

レ 知らない国の大きな太鼓

レ 他人の死体に囲まれてる

レ 言葉がいらないのは心がいらないから

レ どこまでも

レ ループ・サーチ

レ 変わらないやつだ

レ DECK?

レ 動悸の使い方

レ 汚いものから大事になっていく

レ 読んでるスピード

レ 雑になっても構わない

レ 夜を知らないやつは眠らない。昼を知らないやつは目覚めない。

レ 子供のかけら

レ どっちも狂ってた

レ 音にならない振動

レ 坂道をつくらない

レ どきどきする

レ あたまばっかりいっぱい

レ バケツの中身

レ 虫籠はいつも秩序だった

レ スピーカーを触る

レ 食べ残したから

はじめまして、もうやめましょう。


散文(批評随筆小説等) teenage mutant ninja titles Copyright 竜門勇気 2021-07-27 11:38:01
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