ブルース・ブラザース、日本へゆく第一章 6
ジム・プリマス

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 エルウッドかふっと気がついたら、またまた天使の登場だ。ブルース・グラスにブルース・スーツ、ブルース・ハットで、ジェイク、レイ、そして今度は一人増えている。義理の親父のカーティスまで枕元に並んでいる。三人の背中にはまた例のとおり白い羽が生えている。
「エルウッド、やっと分かったみたいだな。俺たちの言ったことに嘘はなかったろうが。」
と兄のジェイクが切り出した。
「兄貴よう。話は分かったけど、これから俺はどうすりゃいいんだい。」とエルウッドか聞くと今度はカーティスがそれに答える。
「ワシ達を含めた、ブルースの兄弟たちは、神に直訴してな。今回のミッションの代価に、おまえにせめて贈り物をしてくれとな。」
ニカッと含み笑いをしながらジェイクが話し始めるんだけど、ジェイクが身体をゆするたびに悪魔のような尻尾がヒョイヒョイ顔を覗かせている。
「エルウッド、ニュー・ブルース・モビールだ。パーフェクトだぜ、今回は。なんせ神と俺たちブルースの兄弟たちが仕立てた車だからな。」
今度はレイが含みありげに話を始める。
「エルウッド、日本へ行くことが、お前への、神の最大の天恵で、神やワシらからの最大のプレゼントだ。お前の人生はジョージ・ヤナギと出会うことで大きく変わる。お前だけじゃないアメリカのブルースが大きく変わることになるかも知れん。ワシの言ったことを忘れるなよ。」
最後にジェイクがパチンと親指を鳴らして締めくくる。
「エルウッド、市鉄道のトランスだ。お前にはそういえば分かるよな。エ・ル・ウ・ウ・ウ・ウ・ッ・ド、トランスの下だ忘れるなよ。」


散文(批評随筆小説等) ブルース・ブラザース、日本へゆく第一章 6 Copyright ジム・プリマス 2020-07-29 00:02:40
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