明日は雨
鳴神夭花

なにもないことが自慢だった
なにもないから傷付くことも出来なくて
だからそれで良かった
良かったのに

どうして芯を持たせようとするのだろう
顔も知らない有象無象は
寄ってたかって
自分の話をして
さも僕の話を聞いてやったような顔をして
それを僕は恥と思うけれど
どうやらそれがその人の芯らしい

よくわからないな

誰かを傷付けないでいることは
きっと不可能だけれど
気を付けて気を付けて
僕の首を絞めることは結構簡単で
なにもない僕は
だからそれで
いつか誰にも知られないでぶら下がっている


自由詩 明日は雨 Copyright 鳴神夭花 2020-06-02 15:45:00
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