プラトニック桜
にゃんしー

さくら「んぼっ!」
しくら「め~ん」
すくら「んぶるえーっぐ!」
せくら「……」
そくら「テス、テステス。マイクテスト、ワンツー」

せくら(いったいどうしたら…)
せくら(なんとかしてうまいこと言わないと…なんとかして…)
せくら(やるしかない…)

せくら「飯島愛の、プラトニック・せっくらw」

さくら・しくら・すくら・そくら「「「「えっ!?」」」」


~暗転。舞台に幕が下りる。ここでキートン山田のナレーションが入る~


咲かなかった花は、滑ったギャグに似ている。

春になっても裸のままの樹木を見ているとき、心も冷たいままだ。

桜の樹の下には死体が眠っていると、春が来るたび思い出す。

だから春が来なかったとき、咲かなかった桜の樹の下で俯き、こう思う。

この下からは、やがて誰かが産まれてくるのではないだろうか、と。

産まれてくることは、産まれて初めての一発ギャグだ。

笑ってくれる人々が、その花を咲かせてくれる。

生かしてくれる。受け入れてくれる。

どんなに滑っていたとしても。


「飯島愛の、プラトニック・せっくらw」

~舞台の幕が上がって、明転~


みんなが爆笑している。そこには満開の、桜。


自由詩 プラトニック桜 Copyright にゃんしー 2020-05-18 13:41:41
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