さくら「んぼっ!」
しくら「め~ん」
すくら「んぶるえーっぐ!」
せくら「……」
そくら「テス、テステス。マイクテスト、ワンツー」
せくら(いったいどうしたら…)
せくら(なんとかしてうまいこと言わないと…なんとかして…)
せくら(やるしかない…)
せくら「飯島愛の、プラトニック・せっくらw」
さくら・しくら・すくら・そくら「「「「えっ!?」」」」
~暗転。舞台に幕が下りる。ここでキートン山田のナレーションが入る~
咲かなかった花は、滑ったギャグに似ている。
春になっても裸のままの樹木を見ているとき、心も冷たいままだ。
桜の樹の下には死体が眠っていると、春が来るたび思い出す。
だから春が来なかったとき、咲かなかった桜の樹の下で俯き、こう思う。
この下からは、やがて誰かが産まれてくるのではないだろうか、と。
産まれてくることは、産まれて初めての一発ギャグだ。
笑ってくれる人々が、その花を咲かせてくれる。
生かしてくれる。受け入れてくれる。
どんなに滑っていたとしても。
「飯島愛の、プラトニック・せっくらw」
~舞台の幕が上がって、明転~
みんなが爆笑している。そこには満開の、桜。