スカーレット
ミナト 螢

手の中にあるものは見せずに
血の流れだけで育てていく
熱くて冷たい汗が引くまで
ギュッと握ればどうだ感じるか
夢は手相の上でジタバタしている
応援歌みたいに騒ぎ出すよ
運命線を背負ったまま
剥がれた皮膚の泳ぎ方で
赤い花びらを短冊に変える
願い事は決まった場所でしか
受け付けないから
届きそうで届かない
日曜日が逆さまに来ても
窓を開けておこう
僕が僕にさよならを
しないように


自由詩 スカーレット Copyright ミナト 螢 2020-05-04 07:45:47
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