青 青
木立 悟








砕ける言葉
落ちる言葉
水踏む言葉
青 青


一度かぎりの拳
海を叩き
波を創り
島の背を見る


子の群れが
原を越える
草の失い 円い地に
降りてくる


  ヘリポートと呼ばれていました
  ここは ここではありませんでした
  標識と径だけが
  立ちつづけるまぼろしを見つめているのでした


伝わることは行なうこと
温かいことは冷たいこと
おまえは何も
知らないこと


余韻は色に 水になり
雨は光に吸われては消え
径は濡れては見つめ返す
どこまでも背を向けるものたちをも


常に居て常に居ない冬
曇の下の音が曇の上に降り
色や光や水となり
再び帰るところに帰る


痛みと澱み
風に響く風
つなぎたいのにつなげない
手のひらのはざまに震える色




















自由詩 青 青 Copyright 木立 悟 2020-04-26 21:10:57
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