クレマチスの妖精
丘白月

春の朝顔
金網に巻き付いて
いちめんに花をつける

朝の風のような
澄み切った紫の花

古い家のレンガの
壁を美しく飾って
家を覆い隠して

その中で妖精たちが
集まってお話してる
今日流れた花の涙と
明日咲かせる花の色

白い花びらが
蒼くなっていく
空を絞って雨がくれた色

妖精の羽根が静かにゆれて
軽々と国境を越えていく

世界中のクレマチスに
愛の雫を降らせていく


自由詩 クレマチスの妖精 Copyright 丘白月 2020-04-02 21:25:25
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