あまりに雲をみている
ふじりゅう

重力に左右される泡も
ほっ
と失う
ふっ
と抱きしめられたら
むにむに
したくなる
赤だか 青だか 緑だかの
こんごうぶつ を
人はなぜだか にじ と呼ぶ
それを
逃がすのはいつも こどもたち
よろこぶのも
いたずらも

雲をあまりにみているから
ゆめなの?
と 呟いた つぶやきは
ジユウ

失われずに済んだ泡の いちぶ
うしなわれた 無残な つぶ
つぶだけが どこかで 残骸を残す
それは
ぬる
とする
ぬめり
ともする
あるいは
そのどちらでもない
指先の湿りを感じる
きみのほっぺたを
ぐりぐり
する 赤いほっぺ
青くも 緑の模様もあるそれ
人は なんて呼ぶのか知らない
こんごうぶつを
わたしは
むにむに
ともする
それを
綻ばすのはいつも
雲が 浮いたり ジユウっぽくなったり
もうもう
へんなかたちで驚かせたり
声は とどいてない

雲をあまりにみているから
ゆめなの?
と 呟いた つぶやきは
そくばく?


自由詩 あまりに雲をみている Copyright ふじりゅう 2020-03-24 23:14:42
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