古街灯
ヤギ

有相無相に蹴っ飛ばされて
ひっくり返った夜の街
見上げる視界は新鮮で
意外と綺麗な古街灯


浮かれて呷った毒薬どくぐすり
選んだオレの生き方だろと
冷めた顔していい気に嘔吐
嘔吐に酔ってる自分に嘔吐
更に酔ってる自分に嘔吐


もうなんだか分からねぇ
胃液か涙か分からねぇ
「若ぇクセにしっかりしろっ」
今日の初声テメエだジジイ


寒ぃ 震える 吐き気が酷ぇ
もう胃液もでねぇ
涙しかでねぇ


貧乏で馬鹿が八つ当たる
嫌いな馬鹿と同じじゃねぇの
酔っ払いの「畜生」が
こういう意味とははじめて知った


錆びて汚れた街灯の
なんてきれいなことだろう
星ひとつない星空の
なんてきれいなことだろう


自由詩 古街灯 Copyright ヤギ 2005-04-07 21:16:15
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