隕石
ヤギ

ベランダがコツコツ鳴るのでカーテンを開けると隕石だった
無愛想に会釈し、顎(多分)で地面を指す
彼の意図を汲み頷くと
彼も頷き返し
ひとつ息をついて飛び降りた
僕は「金金金」と祈った
彼はアパートの庭に穴を開けた
そしてまたひとつ息をついて
どこかへ転がっていった

その後totoが当たる事も札束入りの鞄を見つけることもなかったが
庭の窪みに無様な着地が思い出され少し笑えたので許した


自由詩 隕石 Copyright ヤギ 2005-04-06 17:17:28
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