赤いキャンドル
丘白月

赤いキャンドルが
半分溶けて流れて
涙のように固まって
固まったまま泣いている

焦げた芯が
あの晩のまま
時間を止めている

二人で灯して
二人で息を吹いた
赤いキャンドルが
今も時を越えて
目の前に寄り添う

今朝すずめが鳴いたよ
もう聞こえないだろうか
好きだった椿が咲いたよ
どこかで見ているだろうか

この道を歩いていけば
いつかまた
君と出逢えるだろうか
あの日の君に


自由詩 赤いキャンドル Copyright 丘白月 2019-11-18 19:58:22
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