あなたを感じた夜
丘白月


星が私を見ている
なぐさめてくれる

今日の終わりの中で
空耳のように
幾度と無く
宇宙から星の囁きが
降ってくる

宇宙が悲しみの
ため息を集めて
遠ざかってゆく

深い藍色の風が
夜空にあふれて
二度と逢えないと知る

どんなに探しても
見つからないけれど
いつか
たどり着けるだろうか

目を閉じれば見える
あの日いなくなった
あなたに

落ち葉が粉になって
土に帰り
春の花を見せようと
種を温めてくれる

私が落とした涙の
一つ一つが
種に染みこんでも
悲しい花は咲かない

冬の下で種は
あなたの笑顔のように

星の結晶のように
美しく温かい


自由詩 あなたを感じた夜 Copyright 丘白月 2019-11-18 19:56:52
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