時の声
ミナト 螢

優しさの中に答えがない時
イルミネーションの電球を外し
空振りをしたバッターに捧げる
明るい光は未来じゃなかった

約束をしようと破った言葉
鍵をかけても歩いてしまうから
この身体が熱いうちに始めた
輪投げのように首を捕まえて

ゲームみたいに勝ち負けを決めるの
本当は苦手なくせに笑った

どんな種類の顔を見せたって
憎めずにいる友達はいいな

最終電車に乗り遅れたまま

甘いものばかり探す唇を
強く噛んだら気付いて欲しいよ

脱ぎ捨てた鎧が転がる駅じゃ
格好悪くて何も話せないよね


自由詩 時の声 Copyright ミナト 螢 2019-10-25 06:25:33
notebook Home 戻る  過去 未来