日常よりもたいせつな
立見春香


早く起きて会社へ行く

それは日常で
それ以上でもそれ以下でもない

休みの日
早く起きてあの人と逢う
それは日常で
それ以上でもそれ以下でもない
と、
思っていたけれど。

日常って、
死ぬまで続くルーティンのこと?


あの人とは
もう、逢えないよ。

会社もいつかはつぶれるのかな?
そんなことわかるわけないけど。

あの人との心のつながりが
あの一瞬で消えた、
終わった、
捨てられた、
のって
会社がつぶれることより
大きな意味を持っているんじゃなかったか?


夜ね、
ひとりで寝てるとね、
なんだかもはや笑えてくるんだよ?
あんなくだらないことで
こんなに寒い夜をまねいたんだとしたら
わたしのあたまって
なにも考えられない
ただのシワシワじゃないの?
ってね。


そしてね、
バカみたいだけど、
笑っているんだよ?
笑っているんだけど、

………………

泣いているんだよ。





自由詩 日常よりもたいせつな Copyright 立見春香 2019-10-20 10:27:11
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