乾いた花 #2
ふじりゅう

片隅の誰も留めない花壇
生き方が乾いたから
栄養を蓄えたおなか
誰も気にしない暗い道端と
タイヤ痕のマリーゴールドの香り
ひらひらと蝶が日光に瞬く

あのこのアンドロメダの鱗粉を
気孔に忍び込ませ温めたら
病気になった
クジラの噴水の様に爆発して
エイリアンの群れが腹を破る前に
あのこでない無表情のモンシロチョウに
吸われて切り栄養に化けてしまいたい
たぶん叫び散らして死んじゃうけど
そんなことどうでもいいよね
うしろむきの干からびたかれらは
夜に想いの回路を届かす機関はない

となりに住む
働き者アピールのケンジくんが
いつもどおりわらった
トラップハウスのミルキーウェイで
じたばたしているあのこ
ケンジくんの嗤い顔
えくぼにちらつく星雲
ねじられた愛に潰されそうな夜では
二度と朝をきれいに迎えられない

あのこが食われたから
わたしのお腹はげんかい
だからお酒でひっかけた?が
ちょうどよく狂気の針を突き刺す
あぁ。わたしの絶叫が
病気になったケンジくんに届くといいな
1ナノも解せないわたしの茎が
萎びていくから笑いが止まらない

そうか
ふたりのりが残したタイヤ痕
からも
病的なマリーゴールドの香りがした
そしてさようらな けんじんく


自由詩 乾いた花 #2 Copyright ふじりゅう 2019-09-25 02:13:05
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