小さな不幸せ
ふじりゅう

眠れぬ夜はニベアの満月踊る
寂しさ忘れたら独り言で安らげなくなる
だって
ここは
打ち水
塗れの 蜘蛛の巣から近い墓場

だらだらTシャツを干したら
「千と千尋の神隠し」
が 神隠しに合って虚空を彷徨う空のケースが目に入って
幽霊しか聞けない懇願と
世迷いごとを
ただポスターの落書きに叫ぶんだ

誰か 小さな不幸せをください
オレは本気に昇華出来る
ウソのタイルに散らばるだらけた埃が
ぱあっと手を振ったから
どうでもいい次の日の為に
目覚ましのスイッチを今一度起動する

君に虚ろった日々にニベアの月もまた
とこかで現れては綺麗なサヨナラを発言す
砂の山で空気を何千回も掴み取って
海に捧げたおしっこ
僕はたぶんバイ菌なんだろう

誰か 小さな不幸せを盛ってください
しょうがないから悪さをしてあげる
君のまぶたも僕のものだ
人は皆真っ白に恋焦がれるだろうから
鏡のような月を見せた
貴方は子供が欲しいと言った
真っ赤に充血したオレは
大した夢も持たない埃になりたかった


自由詩 小さな不幸せ Copyright ふじりゅう 2019-07-25 00:52:35
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