有名人方法論
ふじりゅう

―カチ―・・・


隊慶スーパー殺人事件

隊慶スーパー殺人事件とは、2009年2月21日に起きた、男女の高校生2名が深夜にナイフによって殺害された殺人事件を指す。2019年現在も犯人の特定には至っておらず、捜査当局は特別捜査本部第2581号を立ち上げ懸命な捜査を行っているが、解決には至っていない。

∧概説
隊慶スーパーは、高野県隊慶町に位置する小規模なスーパーであった。店が閉店した午後23時頃、店外の便所で用を足していた男女2人の高校生(両者当時17歳)らが、突然刃物を持った犯人に襲われ殺害された。被害者の内、男は個室の外側のドア近くで胸部を刺され失血死しており、女は個室の中で腹部を刺された後、頭や首など計20箇所以上もの刺傷と共に、壁にもたれかかるようにして死亡していた。
犯人は被害者のボタンや腎臓、また金銭2000円を奪い、その場を離れたと思われる。
犯行現場からは犯人のものと思われる27cmの靴跡が見つかっており、鑑定の結果微細なコケと鉄粉が付着していた。
被害者は隊慶市に住む高校生であり、男子Aは近隣住民とすれ違った際に両手を翳して挨拶を交わす、明るく真面目な学生であったという。女子Bはペンケースがペンギンの柄の入った可愛らしいものであり、髪型は触覚の入ったポニーテール、消しゴムは激落ちくんを採用していた。

∧犯行現場
犯行現場には被害者の他、27cmの靴跡、また犯人の遺留品とみられる黒いハンカチが見つかった。ハンカチは被害者Bの顔を隠すように被さっており、Aの顔には被さっていなかった。また、Bのポケットの中から、犯人が書いたものと思われるメモ書きが見つかっており、「ごめんね」と一言書き記されていた。

∧壁に書かれた文字
トイレの個室外側の壁に、被害者の血液で「w」と書かれた血文字が見つかっている。文字の血液からはA型が検出され、被害者Aのものとされる。(被害者A以外にA型の血液を持つものはいない。)
この文字が何を意味しているのかは依然分かっておらず、当初雑誌や掲示板等において様々な考察が述べられた。
・文字の位置が、一般的な男性の身長よりかなり低い(床から100cmほどの場所に書かれていた)ことから、犯人ではなく被害者Aが記したものである。
・文字が、通常のwよりやや右に傾いていたことから、何かの宗教団体などのマークである。(現在は消滅しているものの、当時似たようなマークを取り扱っていた宗教団体があった。)
「カシャ。カシャ、」
・捜査を撹乱させるまたはミスリードを誘う為に記したもの。
などが巷で話題となったが、どれも憶測の域を出ない。

∧被害者の状態
被害者A、B共に高校の制服を着用していたが、Bのボタンのみ全て取られていた。制服から被害者とは別のDNAや衣類の毛が検出されたことから、犯人が持ち去ったものと考えられる。また、Bの乳房からAの唾液の跡と、制服に付着していたものと同一のDNAが検出された。因みに、Bのスリーサイズは85.6cm、60.2cm、90.4cmである。
被害者Aの腹部が割かれ、左の腎臓が持ち去られていた。
Bの小指は両手とも切り取られた状態であった。左の小指は小便器に遺棄されていたのを発見されたものの、右の小指は懸命な捜査も虚しく発見されなかった。

∧犯人像
警察は怨恨殺人として捜査し、述べ1200万人の警察が動員されたものの有力な情報はほとんど見つからず、2010年には捜査陣を大幅に縮小している。ただし、2010年10月27日に成立し、即日施行された改正刑事訴訟法によって凶悪犯罪の公訴時効が廃止された為、小規模ながら捜査自体は継続して行われている。
中心街から外れた地元の小さなスーパーで、人通りもほとんどなかったということもあり目撃証言に恵まれなかったが、不審人物は事件前に度々目撃されている。また、事件後も不審な人物を目撃したという証言がいくつか寄せられている。
・事件の2日前、スーパーのトイレを眺めていた30代くらいの男性。
・同じく事件の2日前、犯行現場から100メートルほど離れた公園で「ふざけんな」「バカヤロー」などと一人で怒鳴っていた、30~40代の男性。
・事件の10時間前防犯カメラに映っていた、スーパーを1時間もの間商品に触れもせずに歩いていた20~30代くらいの男性。
・事件の2時間前、犯行現場近くの道路にライトも付けずに停車していた不審な人物。車は黒の軽自動車であったという。
・事件発生1時間後、ライトも付けずに猛スピードで走っていた黒っぽい軽自動車。
また、犯人は遺留品として黒のハンカチと靴跡を残していた。ハンカチからは、Bの服に残されていたものと同様のDNAが検出された。また、靴跡の微細な鉄粉から、犯人が製鉄業に従事しているまたはその現場に立ち入りしている人物と推定された。

∧怨恨説と強盗説
犯行の異常性や様々な要因から怨恨説が主流だが、一部強盗説も囁かれている。
強盗説の根拠
・被害者Aの財布から、現金2000円が抜き取られていた。しかし、被害者Bの財布やその他ネックレスなどは持ち去られていなかった。
・被害者Aの腎臓が持ち去られていた。腎臓は、状態が良ければ数十万円〜数百万円の価値が存在する。しかし、傷跡から殺害した後強引に抜き取られたと思われ、医学的知識や状態保存の知識が犯人に備わっているとは考えづらいものだった。

怨恨説の根拠
・被害者の残虐な殺害手口から、何らかの私怨があったと考えるのが自然である。
・Aの殺害方法は胸部をナイフで貫いたことによる失血死だが、数分は息があったものと見られている。対してBに対しては、徹底的に何回もナイフで刺し殺害している。このことから、AもしくはBに対して何らかの強い私怨があったと見ることが出来る。
・Bのみに黒いハンカチがかけられていた。黒いハンカチは追悼の意味がある他、加害者心理として、相手が顔見知りの場合に殺害後顔を隠す場合が多いということが、心理学上明らかになっている。このことから、Bのみが顔見知りであり、私怨があり、AはBの殺害の口封じとして殺害されたと見ることも出来る。
・Bのみ、ボタンや小指などが持ち去られていた。対してAは、腎臓という臓器が持ち去られていた。このことから、Bに対しては恋慕が、Aに対しては怨恨があったとする見方もある。
・Aは、とある地方の宗教団体に属していた。
「カカカシャシャシャッカチャ」

∧世間の反応
夜中に出歩いていた男女が被害にあった事、またそのあまりに残忍な手口から世間の注目を集め、真夜中に出歩くことの危険性や防犯意識を高める風潮が広がった。「カチャチャ」また、地方の人気のない場所の危険性にも注目が集まり、防犯カメラの設置や集団登校を推進する世論が広がった。

∧その後
隊慶スーパーはその後倒産し、現在は更地となって雑草が生い茂っている。しかし、スーパーの外のトイレ(犯行現場)のみは何故か解体されず、現在もひっそりとそこに残っている。
2017年、犯行現場付近の道路脇に地蔵が置かれてあるのを、近隣住民が発見した。地蔵の後ろには、漢数字の「六」のような文字が掘ってあった。こちらの詳細も、現在不明のままである。
「タン。」

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「カチャ」
「カチャ」
「カチ」「・・・送信。」


自由詩 有名人方法論 Copyright ふじりゅう 2019-07-13 15:38:57
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