何の前触れもなく
こたきひろし

結婚して
娘が二人生まれた

上の娘は幼稚園にはいり
幼稚園を卒業した

小学校に入り
小学校を卒業した

中学校に入り
一年の終わり頃から
学校へ行かなくなった
正確には
行けなくなったらしい

私の仕事は朝早く
夜が遅かった

私は気付く事が出来なかった
娘の不登校に
それを私に相談できず
妻が一人で悩み苦しんでいた事に

ある日
私はインフルにかかってしまった
一週間寝込んでしまった

それがきっかけで知ることになった
妻は言うことをきかない娘を
初めは引きずってでも学校へ行かせようとしたらしい
だがその内に諦めるしかなかったらしい
泣きわめき抵抗する娘に
力尽きてしまい

私が不登校の原因と理由を聞こうとすると
娘は貝のように口を閉じてしまった
妻に対しても同様だったらしい

臆病な私は
それ以上
問いただせなかった
その答えは想像がついたけれど
真実を知ることにおそれを覚えたから

私は父親として受け入れる以外
方法が見つからなかった

そして
下の娘もまた
同じ道を辿ってしまった

その現実に
私は深く傷ついた
なぜなら
それは私自身が辿ってきた道だったから

なんじゃこりゃ
詩にならならないな

削除しなければ



自由詩 何の前触れもなく Copyright こたきひろし 2019-07-24 01:10:54
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