とうもろこし畑
帆場蔵人

案山子の首はぶぅらぶら
揺れているのは首だか、風だか

ちいさな呟きが繰り返されて

とうもろこし畑から風がくる
とうもろこし畑から盆の東風
だれかくる来るようにおもう

木の葉を撫でて
水たまりをまたいで
だれかくる来るようにおもう

夕暮れが落ちてくる
とうもろこし畑から
だれかくる来るようにおもう

あれはだれ、だれの歌声
振り返れば山からも夕暮れ

夕暮れと夕暮れがぶつかって
瞬きのうちに夜が来て

玉蜀黍の髭をぬいていくのはだれでしょう


自由詩 とうもろこし畑 Copyright 帆場蔵人 2019-05-10 00:20:27
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