おっさんのニオイ
ヤギ

おっさんのニオイを嫌がるのは女の子だけじゃない
オレだって嫌だ
終電でおっさん三人に囲まれた (マエちゃんが寂しがり過ぎるせいだ 今生の別れじゃないっつーの ☆コンチキショウ☆)
かなり強烈だ
ほんのりアルデヒド臭も混じっている
最悪だ
大丈夫、鼻で息しなきゃいいんだ

ところがオレ、ちょっとハナが垂れてきたんだ
だから条件反射で
ハナすすった
ズズッと
やるでしょう?
ズズッと

瞬間だ おっさんパヒューム一気吸引だ
むせた むせまくった
今夜何も食べなかった自分に感謝だ
そして嗚呼 
後数年でオレもこのニオイを発するのだ
何という悲劇!

悲劇、なのだが、
人間のオスなら皆が出すニオイなんだから
これは人間のニオイと言える筈だ
牛小屋の臭いニオイと同じ
猿山の臭いニオイと同じ
人間の臭いニオイだ

おっさんは臭いが、人間のニオイなんだ

「先生、おっさんはお風呂に入っているのですか?」
「入ってます。全開で入ってます。」

「先生、あのニオイはお薬で何とかならないのですか?」
「我慢です、人間我慢が肝心です。」

「先生、ママが触らせてくれるバーってなんですか?」
「生きる糧です。そして意味です。」


自由詩 おっさんのニオイ Copyright ヤギ 2005-03-31 01:11:55
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