断絶
来世の

わたしは退化する。蔑まれないと正しさがわからないような、回路をはんだで繋ぎ直し続けている。どこへ、行かなくても靴がないからって愛想笑いを失敗した、かわいそうな女の子を演じるまでもなく窓辺にうずもれていた。理性は空中に浮かび上がってゆくけれど有害な気体にすらならない、それは喜ばしいことではなかったわたしはつまはじき、にされなければ五十音の連なりを難解な意味を持つものとして認識できなかった。また回路が切れて、クレバスが増殖する。親切な人がくれる果実は輪切りにしても、二つに割ってもすぐさま断面から宇宙がにじみ出てしまうから恐ろしくて、融解しそうになる。繋ぎ直さなかったらどうなりますか。なじられている時間だけがわたし、なんですか。要素へと分解できたならばわたしには戻さないで真新しい人格を与えて鉢植えに、それぞれを育ててみたい、日がな一日水をあげて枯らしてみたい。ひとたまりもなく奈落へ落ちていく文節をじっと、見つめている。


自由詩 断絶 Copyright 来世の 2019-03-18 19:32:44
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