虹がひめ
吉岡孝次

好むところのものは人それぞれ
とにかく芋虫を愛でることにおいて人後に落ちない姫君あれば 一方
天守閣から身を乗り出し

城下の賑わいに消え去るまでは、ずーっと
虹を飽かず倦まず眺めつづけている姫君もいて 人呼んで「虹ヶ姫」。

英訳にあたって"Rainbow Princess"と表記されたその少女は

今では二十二カ国語の子供たちと 新しい雨を待っている。


自由詩 虹がひめ Copyright 吉岡孝次 2005-03-28 22:08:48
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