人の手
不老産兄弟

曖昧なものには意図がある
あいまいなものをみておもう
あいまいの先にはないが
道のりになにかある
おいもがある

やわらかくほくほくの
おいも
おいしいよ
あいまい(甘い)なもの(おいも)をみせてもらう

クリアなヴィジョンを提示することが
これほどまでに神経をすり減らすなんて

なにひとつはっきりとしたものはなく
それがはっきりとしてしまえば
命の買い手がいなくなる

というよりもむしろその逆で
スクリーンは埋め尽くされる
あいまいな枠によって
慎重に吟味されて

混沌を一掃して
つなぎに目をやれば
そこには我々のあるべき姿が
宇宙さながら広がっている

あいまいなものを見ていて思う
馬鹿じゃないかと



自由詩 人の手 Copyright 不老産兄弟 2005-03-28 06:16:06
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