標
ハァモニィベル
*
果てしない一群の墓標が
ここに夢を綴じている
今、私に見つめられたそれらも
かつては何かを、彼ら自身が見つめていただろう
たった二つの
魂のかけらめいた瞳のなかに
そのなかには沈黙の言葉が在ったであろう。
捻転し連鎖を繰り返し 輪廻し続けた言葉の渦とともに
魂にされた物質は、ひたすらに、遥かな実在の
刻
(
うみ
)
を泳いでいき
目を開けることもできず、息継ぎもままならぬ幼い日から
いま、ずっと遥かな過去へと辿り着いた
彼らはけして刻印された史実に成り果てたわけじゃない
一人一人、皆、不可知である筈の
一群の偉大なる《魂の過去》である
*
自由詩
標
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ハァモニィベル
2018-12-28 22:11:09
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