星屑、悲しみの盃を汲め《改》
秋葉竹


凍える夜を
満月に見ほれて
ゆっくりと
ゆうっくりと
時間をかけて
お家へ帰ろう。

お風呂に入って
苛立ちや憎しみや傲慢や無知を恥じ
すべてを感謝の泡で洗い流してキレイになろう。

おちょこで
ストレートのまま
割らないウヰスキーを
ぐいっとあけると
疲れた魂を眠らせてくれるみたい。

これが、
愛されているということ?
私、お酒に
愛されてる?

まーね。

あかりを消す寝室で
エアコンの機械の音だけが
あたたかい。


風音は、
キライ



クスリから
切り離すために、
おのれのさまざまな根っこを
切り落としたんだよ、
どうしたの?
なにがあったの?
興味があるフリしないでよ。

うるさいんだよ。

風音は、
キライ



笑いながら
足元見つめて
静かな絶望のため息を
聴こえないように
漏らした……
と思った?
そんなバカじゃ、
ないんだ。
聴こえたのなら
それは
聴かせるための
ため息だと

理解して。


風音は、
キライ




風音は、
キライ




みだれ、ちらばる、星屑の海
その中心にいる北の極星、
そこに残された夢は無限
この部屋の窓からでも
すぐにみつけられる

透きとおる、蒼白い、悲しみ

星音は、
ズルイ

聴こえたり
聴こえなかったり
するから。

まるで、サソリ座の狡知

だから?





風音は、
キライ
















自由詩 星屑、悲しみの盃を汲め《改》 Copyright 秋葉竹 2018-12-26 22:00:15
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